DQライバルズにおけるMP1ユニットの重要性について
1コスは2コスと同じぐらいとは言わないまでも、十分に役に立つのではないか。今日はその話をしようと思う。
テンションという独自性
この議論をするためにまずは、テンションシステムを掘り下げる。
テンションスキルは、平たく言えば「MP1ずつ分割払いできる替わりに、MP3でMP2相当の特技が使える」ぐらいのコスト感である。
支払いは「分割払い」のみで、「一括払い」ができない。1ターンに1MPずつしか支払うことができないのがポイントだ。
一方、ハースストーンにおけるヒーローパワー(以下ヒロパ)と比べてみると、ヒロパは「MP2でMP1相当の特技が使える」ぐらいのコスト感である(正確にはMP0.5程度といったところだが、議論に大きな差は起きないためわかりやすくMP1とする)。
MP1相当とMP2相当、この差は大きいか小さいか。ズバリ、大きい。それはそのまま、冒頭の「1コスはそれほど重視されず、2コスが重視される傾向にある」という言葉に繋がるからだ。この言葉をやや強引であるが、このように言い換えよう。
すなわち、「2コスは1枚分の働きをするが、1コスは1枚分の働きをしない」ということだ。
- ハースストーンのメイジのヒロパは「1点ダメージ」である。一方、ゼシカのテンションスキルは「3点ダメージ」である。
- ハースストーンのパラディンのヒロパは「1/1を出す」である。一方、ピサロのテンションスキルは「3/2を出す」である。
- ハースストーンのウォーロックは「2点失い1ドロー」である。一方、アリーナのテンションスキルは「1ドロー+1コス分能力」である。
1コスはしばしば無駄になる局面も出てくる。しかし、2コスは多くの場合、打って損はない。そういう設計になっている。そしてテンションスキルは、まさにそういう「打って損はない」レベルの能力になっている。
1コスとテンションアップ
テンションスキルはなるほど1枚分の活躍をする。だが、テンションアップは1ターンに1度しか打てない。テンションアップの回数をなんとか増やせないだろうか。
そこで1コスだ。1コスを「1コス+テンション上げ」とみなすと、その価値を再評価できるはずだ。
1コスが初手にある場合、先手の場合でも、
- テンション上げ
- 1コス+テンション上げ
- 2コス+テンションスキル
と打てる。この動きはほとんど互角のテンポとハンドアドに持っていけることが多いため、後攻の有利分を帳消しにして以降戦える。
また、1コスが2枚あると
- 1コス
- 1コス+テンション上げ
- 2コス+テンション上げ or 3コス
と繋げられる。この動きは後攻で強い。
つまり平たく言えば、1コスを使うことで、テンションアップをする機会がかなり増える、ということだ。
ハンドアドと「1コス+テンション上げ」
闘技場はアド勝負になりやすい。アド勝負になりやすいということは、テンションスキル勝負になりやすい、ということだ。
シャドウバースの進化権は限りがあり、ハースストーンのヒロパは1枚分の価値がなく大勢に影響を与えないことが多い。一方、テンションスキルは打てば打つだけアドバンテージが取れる。
かつ、テンションアップは1ターンに1回しか支払いができない。
以上から導き出させることはなにか。
序盤でどれだけテンションアップを打ったかで後半のアド勝負が決まるということだ。
では序盤でテンションアップを効果的に打つためにはどうすればいいか。
1コスを入れればよい。
どうだろう、1コスの評価は変わってきただろうか。
ユニットと枚数と「扉」
具体例を見よう。
まず、「MP1の扉」について。この扉は多くの人にとってはハズレ扉だろう。残念ながら、上記のような論理補強をしても依然として「MP1の扉」はハズレだとぼくは思っている。というのも、1コスは必要とは言っても、5枚無条件に増えていいコスト帯ではないからだ。どちらかと言えば、ほかのコスト帯の取るに足らないユニットよりは、MP1の重要ユニットをピックすべき、程度の記事と思ってほしい。
ではMP1の重要ユニットとは何か。共通のものとしては、以下が挙げられる。
- 高得点
- いたずらもぐら
- メラゴースト
- おばけキャンドル
- 中得点
- ゴースト
- モーモン
- なんとか選択肢にのぼる
- バブルスライム
- おおくちばし
これらは2コス以上とトレードできる可能性があるカードである。序盤で2コスとトレードできればテンポを取っていける可能性が高まる。特に、テリーの「はがねのつるぎ」によるインチキテンポと対抗できるのが素晴らしい。
例外としてのアリーナ
アリーナは、ほとんど唯一、「MP1の扉」を積極的に選択できるリーダーだ。アリーナは特にMP1が重視されることが主な理由である。 → 参考:アリーナでArena(闘技場)を勝ち進む方法
しかも、「かくとうパンサー」や「ちからの指輪」といった1コス屈指のカードも含まれている上、「ビッグスロース」ともシナジーがある。また、後列のみダメージを飛ばせる「おおくちばし」も、前列偏重のリーダー特性を考えてシナジーといっていいだろう。
このように、アリーナにとってMP1帯は生命線といっていい。「MP2の扉」と並んでいても、MP1の枚数が少ない場合はむしろ積極的に選んでいってもいいと思う。
なお、テリーも「剣を求めて」や「はやぶさ斬り」、「カメレオンマン」など有用カードがある。しかしテリーは恐ろしいことに他コストにも有用カードがひしめいているため、無理に「MP1の扉」を選ぶ必要はないだろう。
MP1ユニットでテンション上げてこ!
前半のみ語った不完全な戦術理論かもしれないが、先攻だろうが後攻だろうが、スマートにテンポやアドを取っていく手法としては有用だと思う。
MP1ユニットしかピック候補に出なくても、テンション下げずにピックしていきたいと思う。